韓国は、カーシェアサービスの墓場のような場所だった。代表的なグローバル企業のウーバーは、韓国に入って来て2年もたたずにサービスを中断した。以降のサービスも次々に障害にぶつかった。相乗りメーカー「プラス」は、今まで通勤時間帯だけサービスを提供してきたが、2017年末から24時間サービスを提供することに変わるや否や、ソウル市と国土交通部が業者を検察に告発した。現行法で相乗りサービスは、通勤時間だけ提供することができるというのが理由だった。以後、プラスは代表が辞任し、従業員の70%が構造調整で解雇された。
한국은 공유차량 서비스의 무덤과도 같은 곳이었다. 대표적인 글로벌 업체인 우버는 한국에 들어온지 2년도 안돼 서비스를 중단했다. 이후의 서비스도 줄줄이 장애물에 부딪혔다. 카풀 업체 풀러스는 그간 출퇴근 시간에만 서비스를 제공하다가 2017년 말부터 24시간 서비스 제공으로 바뀌자 서울시와 국토부가 업체를 검찰에 고발했다. 현행법으로 카풀 서비스는 출퇴근 시간에만 제공할 수 있다는게 이유였다. 이후 풀러스는 대표가 사임하고 직원 70%가 구조조정으로 잘렸다.
カカオタクシーも今年3月、乗車拒否の問題を解決するために運転手を強制配車する「即時呼び出し」サービスを有料で提供しようとしたが、国土交通部の反対で実行に移すことができなかった。
카카오택시도 올 3월, 승차 거부 문제를 해결하기 위해 기사를 강제 배차하는 ‘즉시호출’ 서비스를 유료로 제공하려고 했으나 국토부의 반대로 실행에 옮기지 못했다.
これらの企業の細かいサービスの方式は異なっていたが、結末は似ていた。サービスを開始すると、タクシーなど関連業界が強く反発し、政府や自治体が、タクシー業界に味方するやり方だった。
이들 회사의 세부적인 서비스 방식은 달랐으나 결말은 비슷했다. 서비스를 출시하면 택시 등 관련 업계가 강하게 반발했고 정부나 지자체가 택시 업계의 손을 들어주는 방식이었다.
こんな状況にもかかわらず、市場を切り開こうという試みは続いている。10月8日、デートアプリ「ビトウィーン」を運営していた企業VCNCは「タダ(韓国語で「乗る」)」というサービスを公開した。システムはカカオタクシーと似ている。ユーザーが車両を呼び出すと、車両が配車され、目的地まで乗せてくれる。ところが、一つ違う点がある。乗用車ではなく、11人乗りワゴン車が来る。
상황이 이런데도 시장을 열어젖힐 시도는 계속되고 있다. 지난 10월 8일, 데이팅 앱 ‘비트윈‘을 운영중이던 기업 VCNC는 ‘타다’라는 서비스를 공개했다. 시스템은 카카오택시와 유사하다. 사용자가 차량을 호출하면 차량이 배차되고 목적지까지 태워준다. 그런데 한가지 다른 점이 있다. 승용차가 아니라 11인승 승합차가 온다.
「タダ」はタクシーではない。厳密に言えば、車両を貸して運転手まで一緒に配車する「レンタカー」サービスだ。原則としてレンタカーを利用した有償運送は法律で禁止されている。
‘타다‘는 택시가 아니다. 엄밀히 말하면 차량을 빌려주면서 기사까지 같이 배차하는 ‘렌터카’ 서비스다. 원칙적으로 렌터카를 이용한 유상운송은 법으로 금지되어 있다.
一方、国土交通部は、「タダ」のサービスは、法的に問題がないという立場だ。旅客運輸法は11〜15人乗りの乗用車について、運転手を斡旋する行為を許可しているからだ。
반면 국토교통부는 ‘타다‘의 서비스는 법적으로 문제가 없다는 입장이다. 여객운수법은 11~15인승 승합차에 대해 운전자를 알선하는 행위를 허용하고 있기 때문이다.
タダがサービスを開始して間もないが、すでに利用客には好評のようだ。さらにタクシーより料金が約20%高いのに満足だという反応だ。
타다가 출시된 지는 얼마 안되었지만 벌써부터 이용객들은 호평하는 모양새다. 심지어 택시보다 요금이 약 20% 더 비싼데도 만족한다는 반응이다.
「車両が大きくて便利だ」とか「無料Wi-Fiが※速い」といった内容ではない。これら好評の内容は、「運転手が不快な言葉をかけない」とか「乗車拒否をしない」という内容だ。
‘차량이 커서 편리하다‘든가 ‘무료 와이파이가 터진다’ 같은 내용이 아니다. 이들이 호평하는 내용은 ‘기사들이 불쾌한 말을 걸지 않는다‘든가 ‘승차거부를 하지 않는다’는 내용이다.
運転手に配車する際、顧客の目的地を知らせずに割り当てるため、原則として乗車拒否をすることができないシステムだ。この点がまさに「タダ」利用客の好評を引き出せた理由だ。
기사들에게 배차할 때 고객의 목적지를 알려주지 않고 할당하기 때문에 원칙적으로 승차거부를 할 수 없는 시스템이다. 이 점이 바로 ‘타다’ 이용객들의 호평을 이끌어낼 수 있었던 이유다.
タダ側は「タクシー業界と協力し、新しいビジネスモデルを作ろうと計画中だ」と明らかにした。タクシー業者らは「シェアリングエコノミーの美名の下、タクシー業界を殺す不法・脱法シェアライドを退出させるために強く闘争中」と述べた。
타다 측은 ”택시업계와 협업하여 새로운 사업 모델을 만들고자 계획 중”이라고 밝혔다. 택시 업체들은 “공유경제의 미명하에 택시산업 죽이는 불·탈법 승차공유를 퇴출시키기 위해 거센 투쟁 중”이라고 말했다.

ちょっと目を離すと、すぐに激変する韓国の公共交通。今はタクシーとも違う、ライドシェアの大きな波が来ています。これまでの流れをざっくりおさらいしましょう。
●카풀とは?
카풀(Carpool、カープール)とは、目的地が近い人の車にお金を払って同乗させてもらうライドシェアサービスのこと。乗る人は「ライダー」、運転する人は「ドライバー」と呼びます。タクシーよりも安い料金で利用できるのがポイントで、世界的に代表的な事業者がウーバーです。
しかし日本と同様、韓国では特別な免許を持たない人が、自家用車に有料で乗客を乗せて移送するのは法律違反。低所得のタクシー運転手を抱えるタクシー業界の視線を気にする国土交通部が、なかなか規制を緩和しないこともあって定着はしていません。
しかし、ここで紹介した「タダ」以外にも、その規制を崩そうとする業者が次々と現れています。
●2014年、ウーバー上陸
ウーバーが韓国で、有料で乗客を運ぶレンタカーと運転手をアプリで斡旋するサービスを開始したのは2014年10月。しかし、行政は徹底的にウーバーを取り締まりにかかります。特にソウル市が市民からウーバーを通報するよう奨励し、検察に告訴し、検察もウーバーを起訴したため、ウーバーは翌年3月には事実上、サービス中断に追い込まれます。
●2015年4月、カカオタクシー開始
一方、入れ替わるように、モバイル通信アプリの「カカオ」がタクシー配車アプリに進出したのは2015年4月。これはソウル市タクシー運送事業組合と교통카드の韓国スマートカードとの提携で、12月に呼び出し5000万件を突破するなど、韓国でタクシーの乗り方をすっかり変えました。
一方でカカオの「デジタル乗車拒否」問題が指摘されるようになりました。カカオでは、利用者は目的地も入力するため、特に深夜のタクシー運転手が、呼び出し地点と目的地の情報を見て、短距離の乗客を避けて長距離の乗客や、次の客を捕まえやすい江南、弘大方面の乗客ばかり選んで乗せるようになったためです。
そこでカカオは2018年2月、+5000ウォンで強制配車したり、+2000ウォンで目的地情報を隠して、配車可能性の高いタクシーをAIで選んで頼んだりすることができるサービスを始めると発表。しかしタクシー業界は「実質的にタクシーの値上げにつながり、他の交通手段に客を選ばれる」と猛反発。国土交通部が「手数料が高すぎる。自治体の上限に合わせるべきだ」(韓国の場合、配車手数料は自治体ごとに決まっており、ソウルは深夜2000ウォンが上限)としたことで、結局、骨抜きになってしまいました。(参考:우버·카풀앱 이어…카카오택시 유료화는 왜 실패했나)
●2016年、プラス「通勤時間限定」乗り合いサービス
ライドシェアサービスの「プラス」は220億ウォンの投資を受けて、2016年5月に乗り合いサービスを開始しました。朝晩の通勤時間に限定した、タクシーより安い値段で乗れる、乗り合い自動車事業です。(韓国の場合、朝晩の通勤時間には自家用車に有料で乗せても違法ではないと法律に明記されています)。
が、通勤時間帯に限られていた時間を、運転手が決められるようにして、事実上24時間営業体制に拡大しようとしたところ、タクシー業界の猛反発に遭い、行政も規制緩和を認めませんでした。プラスは結局、社長が辞任し、従業員70人を解雇するなど、事業縮小に追い込まれました。
●2018年、カカオがライドシェア進出へ
カカオは2018年2月に、プラスの競合事業者だった「ロクシー」を買収し、ドライバー募集を始めました。これに反発するタクシー業界は10月18日午前4時から24時間のゼネストを実施しました。しかし、プラスは呼び出し件数が1.5倍に増加、ドライバー登録件数も通常の10倍に増えた。「タダ」の呼び出し件数は6倍に増えたようです。(参考:카풀 겨냥한 택시 파업에 오히려 카풀 업체가 득봤다)
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