#121 映画「ソウルの春」で描かれた1979年の状況が2024年と重なる

対訳

「2024年に『ソウルの春』を経験するとは」。尹錫悦大統領が非常戒厳令を宣布し、6時間で解除すると、映画「ソウルの春」が大衆の間で再び注目を浴びている。

“2024년에 ‘서울의 봄’을 경험할 줄이야.” 윤석열 대통령이 비상계엄을 선포한 후 6시간 만에 해제하자 영화 ‘서울의 봄’이 대중들 사이에서 재조명되고 있다.

2023年に公開され、1312万人の観客を動員した「ソウルの春」は、1979年にソウルで起きた12・12軍事クーデターをモチーフにした最初の映画だ。新軍部勢力と、彼らを抑えようという軍人たちの一触即発の対立を描いた作品で、「アシュラ」のキム・ソンス監督が演出を担当し、ファン・ジョンミン、チョン・ウソン、イ・ソンミン、キム・ソンギュンらが出演した。

지난해 개봉돼 1312만 명의 관객을 동원한 ‘서울의 봄’은 1979년 서울에서 벌어진 12.12 군사 반란을 모티브로 한 최초의 영화다. 신군부 세력과 그들을 막으려는 군인들의 일촉즉발 대립을 그린 작품으로 ‘아수라’ 김성수 감독이 연출을 맡고 황정민, 정우성, 이성민, 김성균 등이 출연했다.

https://www.hankyung.com/article/2024120430747

実在の人物の名前は仮名で処理された。大統領が殺害された非常戒厳の状況で、武力を動員して権力を握ろうとする保安司令官チョン・ドゥグワン(ファン・ジョンミン)と、これを防ごうとする首都警備司令官イ・テシン(チョン・ウソン)が対立する。12・12軍事反乱当日の9時間を緊張感たっぷりに演出した。

실제 인물들의 이름은 가명으로 처리했다. 대통령이 시해된 비상계엄 상황에서 무력을 동원해 권력을 잡으려는 보안사령관 전두광(황정민)과 이를 막으려는 수도경비사령관 이태신(정우성)이 대립한다. 12·12 군사반란 당일 9시간을 긴장감 넘치게 연출했다.

全斗煥と盧泰愚は1996年に内乱などの容疑で逮捕・起訴され、1審で全斗煥に死刑、盧泰愚に懲役22年6カ月が言い渡された。1997年に大法院(最高裁)で全斗煥に無期懲役、盧泰愚に懲役17年が確定したが、1年もたたずに金泳三大統領が赦免した。

전두환과 노태우는 1996년 내란 등의 혐의로 구속 기소돼 1심에선 전두환이 사형, 노태우가 징역 22년6월을 선고받았다. 1997년 대법원에선 전두환에게 무기징역, 노태우에게 징역 17년을 확정했지만 1년도 되지 않아 김영삼 대통령이 사면했다.

https://www.khan.co.kr/article/202412041115021

映画でチョン・ドゥグワンとともに浮上したのは、全斗煥とクーデターを謀議したハナ会だ。盧泰愚(劇中名ノ・テゴン)を始め、張世東(劇中名チャン・ミンギ)、許和平(劇中名ムン・イルピョン)、許三守(劇中名ホ・チャンス)ら、軍の要職をほしいままにしたハナ会のメンバーたちは、全斗煥の家と飲み屋などで親睦を名目にしたクーデターの相談をしながら、綿密に12・12クーデターの枠組みを描いた。12月3日の夜の戒厳令宣布を水面下で調整した勢力とみられているのは、尹大統領の高校同窓会「沖岩派」だ。尹大統領の高校の1年先輩の金容顕・国防部長官が戒厳令を建議したことが確認され、沖岩高の後輩であるイ・サンミン行政安全部長官が一緒に相談したのではないかという推測の記事も出ている。

영화에서 전두광과 함께 부각된 건 전두환과 쿠데타를 모의한 하나회다. 노태우(극중 이름 노태건)를 비롯해, 장세동(극중 이름 장민기), 허화평(극중 이름 문일평), 허삼수(극중 이름 하창수) 등 군 요직을 꿰찬 하나회 멤버들은 전두환의 집과 술집 등에서 친목을 빙자한 쿠데타 논의를 하면서 면밀하게 12·12사태의 얼개를 그려나갔다. 3일 밤 계엄 선포를 물밑 조정한 세력으로 지목받는 건 윤 대통령의 고등학교 동문인 ‘충암파’다. 윤 대통령의 고등학교 1년 선배인 김용현 국방부 장관이 계엄을 건의한 것으로 확인됐고, 충암고 후배인 이상민 행전안전부 장관이 함께 논의했을 것이라는 추측 기사들도 나오고 있다.

映画で朴正熙が暗殺された10月26日以後、戒厳司令官を務めた鄭昇和(劇中名チョン・サンホ)陸軍参謀総長は、クーデター勢力に制圧され屈した。上映時間約150分の映画「2024・12・3非常戒厳令」で戒厳令宣布は、国会の合法的な手続きを経た戒厳令解除の評決と、国会に駆けつけた民心の力で屈した。ときに現実は映画よりさらに映画のような結末をプレゼントしてくれる。

영화에서 박정희가 암살된 10·26사태 이후 계엄사령관을 맡았던 정승화(극중 이름 정상호) 육군참모총장은 쿠데타 세력에게 제압당하면서 무릎 꿇었다. 상영시간 150여분짜리 영화 ‘2024 12·3 비상계엄령’에서 계엄 선포는 국회의 적법한 절차를 거친 계엄 해제 표결과 국회로 달려간 민심의 힘으로 무릎 꿇었다. 때로 현실은 영화보다 더 영화 같은 결말을 선물한다.

https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/1170788.html

ちょっと解説

日本でも公開された映画「ソウルの春」については、あちこちで紹介されていますので、ここでは全斗煥・元大統領を演じたファン・ジョンミンの演技について。

クーデターを起こしたものの、計画が思い通りに進まず手がブルブル震える、盟友ノ・テゴンに「ついてきてくれ」と懇願するなど、この映画でチョン・ドゥグワンこと全斗煥は徹底的に器の小さい俗物として描かれています。実在の人物が登場することの多い韓国映画・ドラマで、全斗煥は悪役として何度も登場してきましたが、スケールの多い豪胆な巨悪として登場することが多かっただけに、今回の設定は異色です。

代表的なのが2005年のMBCドラマ「第5共和国」。俳優イ・ドッカが演じた全斗煥は豪快で堂々とした演技で、悪役だったにも関わらず視聴者の人気を集めました。

これに先立つこと10年、やはりMBCで1995年に放映された「第4共和国」というドラマでは、俳優パク・ヨンシクが全斗煥を演じました。あまりにも外見が全斗煥に似過ぎていたため、全斗煥政権の間はほとんど仕事がなかったという俳優ですが、民主化後に晴れて全斗煥を演じました。これもやはり、強いイメージの悪役です。

軍を掌握して強権政治で恐れられた全斗煥のイメージが生々しかった時代ということもありますが、「第4共和国」は金泳三政権で全斗煥・盧泰愚らを内乱陰謀などの容疑で逮捕した「歴史立て直し」とほぼ並行して放映され、「第5共和国」は盧武鉉政権でした。「第4」は金泳三、「第5」は金大中を、独裁政権に立ち向かった民主化運動のヒーローとして描いていたため、悪役の全斗煥もスケールを大きく描く必要があったと思われます。

全斗煥は2022年に死去し、歴史上の人物となりました。ファン・ジョンミンの演技は時代の移り変わりを感じさせます。

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