#40 息子のいじめ問題で警察ナンバー2が辞任 「特権階級の横暴」に厳しい目

対訳

息子の学校暴力が物議を醸したチョン・スンシン新任国家捜査本部長が2月25日、辞意を表明した。彼は「私の息子の問題で申し訳なく、被害者とそのご両親に家族全員が改めて許しを請いたい」と述べ「私の息子の問題で、国民が心配する状況が生じ、このような欠陥があっては国家捜査本部長という重責を到底果たし得ないという結論に達した」と話した。

아들의 학교 폭력 논란이 불거진 정순신 신임 국가수사본부장(국수본부장)이 25일 사의를 표명했다. 그는 “저희 아들 문제로 송구하고 피해자와 그 부모님께 저희 가족 모두가 다시 한번 용서를 구한다”며 “저희 아들 문제로 국민들이 걱정하는 상황이 생겼고 이러한 흠결을 가지고서는 국수본부장이라는 중책을 도저히 수행할 수 없다는 결론에 이르렀다”고 밝혔다.

https://www.donga.com/news/google/donga/article/all/20230225/118068302/1

チョン・スンシン弁護士の子供の学校暴力を巡る議論がなかなか収まらない。特にチョン弁護士の息子から被害を受けた生徒は、自殺を図るなど苦しむ中、加害者はソウル大学に一般入試で入学した事実が明らかになり、世論が悪化している。

정순신 변호사 자녀의 학교폭력 논란이 좀처럼 가라앉지 않고 있다. 특히 정 변호사 아들에게 피해를 당한 학생은 극단적 선택을 시도하는 등 고통을 겪는 사이, 정작 가해자는 서울대 정시전형으로 입학한 사실이 알려지면서 여론이 악화되고 있다.

https://weekly.chosun.com/news/articleView.html?idxno=24684

2017年に江原道にある全国単位の自律型私立高校に入学したチョン弁護士の息子は、同級生に8カ月にわたって言葉の暴力を加え、2018年に学校暴力対策自治委員会の再審と再々審を経て、転校処分を受けた。チョン弁護士側は転校処分の取り消しを求めて行政訴訟を起こし、最高裁まで争った末に2019年4月、最終的に敗訴した。チョン弁護士は24日、国家捜査本部長に任命されたが、息子の学校暴力が明らかになり、1日で発令が取り消された。

2017년 강원도 소재 전국단위 자율형 사립고에 입학한 정 변호사의 아들은 동급생에게 8개월 동안 언어폭력을 가해 2018년 학교폭력대책자치위원회의 재심과 재재심을 거쳐 전학 처분을 받았다. 정 변호사 측은 전학 처분을 취소해달라는 행정소송을 냈다가 대법원까지 간 끝에 2019년 4월 최종 패소했다. 정 변호사는 지난 24일 국가수사본부장에 임명됐으나 아들의 학폭 전력이 알려지면서 하루 만에 발령이 취소됐다.

https://www.khan.co.kr/national/education/article/202302271620001/?kref=rta

チョン・スンシン弁護士の息子、チョン君の学校暴力関連の判決文などによれば、チョン君は2017年、被害生徒のA君に向かって「豚野郎」と呼び「汚いから消えろ」という言葉をしばしば言った。またA君が済州島出身という理由で「済州島から来たヤツはアカ」と罵った。他の生徒の証言によれば、チョン君はA君に「お前は豚だから臭い」「お前はここに合わない」などの無視発言をした。こういったチョン君の言葉の暴力は1年以上続いた。

정순신 변호사 아들 정씨의 학교 폭력 관련 판결문 등에 따르면 정군은 2017년 피해 학생인 A군을 향해 “돼지새끼”라고 지칭하며 “더러우니 꺼져라”는 말을 자주 했다. 또 A군이 제주도 출신이라는 이유로 “제주도에서 온 새끼는 빨갱이”라며 비하했다. 다른 학생들의 증언에 의하면 정군은 A군에게 “넌 돼지라 냄새가 난다”, “넌 여기에 어울리지 않는다”는 식의 무시발언을 했다. 이같은 정군의 언어폭력은 1년 넘게 지속됐다.

https://www.mk.co.kr/news/society/10659464

ちょっと解説

学校でのいじめは학폭(学暴)と呼ばれ、韓国でも深刻な問題です。最近は芸能人が学校時代のいじめ加害を告発され、キャスティングが変更になったり芸能界を事実上追放されたりするケースが相次ぎましたが、過去に本人がやったこと(事実関係を争うケースも多数ありますが)。国家の要職に就いた人物が、子どものいじめ問題で辞職するのはあまり例がありません。

今回の件が大きな社会問題になったのは、いくつかの要素が複合的に作用し「特権階級の横暴」と見なされた結果でした。

まずチョン・スンシン氏が元検事だったこと。元検察トップの検察総長だった尹錫悦大統領は「検察共和国」の異名を取るほど要職に元検事を配置する姿勢が目立ちますが、警察庁ナンバー2の国家捜査本部長に任命したチョン・スンシン氏も検事出身の弁護士でした。父親が法曹界にいるという事実は、日本以上にエリートとして重く見られます。チョン・スンシン氏の息子は学校で、父親の権威を笠に着た言動を繰り返していたという報道もあり、「エリート一家の非道」に世間は怒りました。

ニュースにある通り、チョン氏の息子はいじめ加害を認定されて転校処分となりますが、チョン氏一家はこれを不服として最高裁(大法院)まで争いました。最終的に敗訴したものの、高校生の法廷闘争など当然、親が主導しなければできず、専門知識も必要です。自らの非を認めず長期にわたって裁判を続けたこと、それも法律のエキスパートである父親が、いじめ加害の息子を全面的にバックアップしたことも「特権を利用した2次加害」と非難されました。

加害生徒はその後、ソウル大学に一般入試(정시)で合格しました。推薦入試(수시)が主流の韓国で、いじめ加害での転校処分は생기부(生活記録簿、日本で言う内申書)に記録され、有名大学への進学はほぼ不可能になります。しかし試験一発勝負で合格したとはいえ、問題生徒を入学させたソウル大学の入試選抜に不備はなかったのか、韓国社会は厳しい目を向けました。

チョン・スンシン氏自身も、国家捜査本部長の候補に内定した段階で、家族の民事訴訟を自己申告する義務がありましたが、まったく申告していなかったことが報じられています。つまり確信犯で隠蔽していたわけです。

折も折、学生時代に自分をいじめた相手にソン・ヘギョ演じる主人公が復讐していくドラマ「ザ・グローリー」が話題となっていたことも、注目を高めた一因ではないかと見られています。

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