#33 政界を揺るがす「大庄洞事件」って? 疑惑の人物から巨額融資受けた記者が続々

対訳

ハンギョレ新聞社が大床洞開発の民間事業者キム・マンベ氏と金銭の取引をしたことが明らかになった元編集局幹部の記者A氏を解雇することにした。A氏は会社に提出した書面陳述で、「資金繰りに困り、キム氏から2019年5月、3億ウォンを初め、総額9億ウォンをすべて手形で借りた」と釈明した。

한겨레신문사가 대장동 개발 민간사업자인 김만배 씨와 금전 거래를 한 것으로 드러난 전 편집국 간부 기자 A 씨를 해고하기로 했다. A 씨는 회사에 제출한 서면 소명에서 “청약을 고민하던 차에 김씨로부터 2019년 5월 3억 원을 비롯해 총 9억원을 모두 수표로 빌렸다”고 해명했다.

前日、ハンギョレはリュ・イグン編集局長が、A氏の不適切な金銭取引の責任を取って役職を辞任した。キム・ヒョンデ代表理事社長ら同期の役員3人も、来月に次期社長候補が決まれば、早期に経営から退くと明らかにした。

전날 한겨레 류이근 편집국장이 A 씨의 부적절한 금품 거래 사태에 책임을 지고 보직 사퇴했다. 김현대 대표이사 사장 등 등기 이사 3명도 다음달 차기 사장 후보가 결정되면 조기에 경영에서 손을 떼겠다고 밝혔다.

https://www.kookje.co.kr/news2011/asp/newsbody.asp?code=00&key=20230110.99099002883

ハンギョレ従業員は今「創刊後最大の危機」を迎えている。36年間、ハンギョレ内部で起きた事件・事故とは「次元が違う」今回の事態に、ハンギョレ内部では創刊以来積み重ねてきたすべての「信頼が一瞬で崩れ落ちるかもしれない」という危機感、「ハンギョレの存在理由が根本的に否定された」という無残な敗北感が広がっている。

한겨레 구성원은 지금 “창간 이후 최대 위기”를 겪고 있다. 36년간 한겨레 안에서 벌어진 사건·사고와는 “차원이 다른” 이번 사태에 한겨레 내부는 창간 이후 쌓아왔던 모든 “신뢰가 한순간 무너져 내릴 수 있다”는 위기감, “한겨레의 존재 이유가 근본적으로 부정당했다”는 참담함이 팽배하다.

http://www.journalist.or.kr/news/article.html?no=52884

韓国日報もキム氏から1億ウォンを借りたという疑惑が提起された幹部B氏に待機命令を出して内部調査をしており、中央日報はキム氏に8000万ウォンを借りて9000万ウォンを返した疑惑を持たれているC氏を職務から排除して事実関係を調査中だ。

한국일보 역시 김씨에게서 1억원을 빌렸다는 의혹이 제기된 간부 B씨를 대기발령하고 자체 조사를 했으며, 중앙일보는 김씨에게 8000만원을 빌려줬다가 9000만원을 돌려받았다는 의혹이 제기된 C씨를 직무에서 배제하고 사실관계를 조사 중이다.

ソウル新聞は1月6日、大床洞事件を捜査しているソウル中央地検がキム・マンベ氏の資金の流れを追跡する過程で、キム氏が2019~2021年に主要日刊紙の中堅記者たちと金銭のやりとりをしたことを確認し、その経緯を調査中と報じた。

앞서 서울신문은 6일 대장동 사건을 수사하는 서울중앙지검이 김만배씨의 자금 흐름을 추적하면서 김씨가 2019~2021년 주요 일간지의 중견 언론인들과 금전거래를 한 것을 확인하고, 그 경위를 조사 중이라고 보도했다.

https://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20230110500216

ちょっと解説

大床洞は、別名「南板橋」とも呼ばれ、板橋(パンギョ)の南に位置します。盆唐や板橋、竹田など、新興宅地開発が進んで人気が高まっている城南市の中では、比較的遅れて開発が始まりました。

2022年8月に訪れた城南市大庄洞。大規模な宅地や商業地の開発が進んでいますが人気はなく、まだまだ造りかけの街といった感じです。

これを進めたのが当時の李在明市長(2022年の大統領候補で、尹錫悦氏に惜敗)です。

李市長のもとで大床洞開発は官民合同のプロジェクトとして進められ、1兆8000億ウォンの利益を上げましたが、なぜか市には30%に満たない5503億ウォンしか入らず、ほとんどが「火天大有」という資産管理会社に入りました。この火天大有の100%株主だったのが、キム・マンベ氏です。

この事業スキームを造ったのは李在明氏だったため、李在明氏が市の事業で得た利益を不当に一民間人に与えたのではないか、李氏側に巨額の資金が渡ったのではないかというのが「大床洞事件」で、2022年大統領選でも大きな争点になりました。すでにキム・マンベ氏を始め関係者が続々と逮捕されています。李氏の関与がどこまで明らかになるのかは、2027年の次期大統領選にも大きく影響します。

この人物の本業は韓国日報を経てニューシスやイーデイリーなどで司法記者でした。同じ担当の記者同士は会社を超えたつながりが非常に強くなる傾向のある韓国のメディア業界、「何かやたら羽振りのいい先輩記者」として名節の商品券など、無心が常態化していたのではないか、というのが、同業者たちの見立てです。

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